空母「山東」派遣で見えた、中国が画策する"沖ノ鳥島強奪"へのシナリオ コメント「狙っているのは尖閣だけではない」「『中国を刺激するな』論の無意味さがよくわかる」「日本政府は絶対に弱腰にならないよう対応を」

Photo 4月、太平洋上グアム近くで確認された中国海軍クズネツォフ級空母「山東」- AFP 空母「山東」派遣で見えた、中国が画策する"沖ノ鳥島強奪"へのシナリオ 5/12(金) 6:00配信 週プレNEWS Yahoo!ニュース 昨夏に続き、この4月にも台湾を包囲して大規模な軍事演習を行なった中国。2度目ということもあって日本ではさほど大きく報じられなかったが、実は演習に参加した空母「山東」はその後、日本最南端の島・沖ノ鳥島に接近し、艦載機の発着艦を繰り返していた。本州から遠く離れた洋上の孤島に対し、中国はなぜ圧力を強めようとしているのか? ■空母進出の狙いは「軍事」と「資源」 台湾・蔡英文(さい・えいぶん)総統の訪米に反発した中国は4月上旬、台湾を包囲する形で軍事演習を行なった。 昨夏、米下院ペロシ議長の訪台時にも同様の反応を示した中国だが、当時との軍事面における最大の違いは、中国初の純国産空母「山東(シャントン)」率いる艦隊がバシー海峡を通過し、初めて太平洋を航行したことだ。 米空母への着艦・乗艦取材経験が40回を数えるなど、各国海軍の事情に精通するフォトジャーナリストの柿谷哲也(かきたに・てつや)氏が解説する。 「空母・山東は一日最大37回もの艦載機の発着艦を繰り返しました。艦載機の飛行回数だけでいえば、すでに米海軍原子力空母の1個飛行隊と同じ水準を保持しています。 山東は就役から3年4ヵ月で実戦配備にこぎ着けており、10年かかった中国海軍初の空母『遼寧(リャオニン)』よりはるかに仕上がりが早い。米空母のような長期展開はできませんが、台湾程度の近距離であれば、すでに十分に戦力投射が可能だと思います」 ただし、日本にとってより深刻なのはその後の動きだ。防衛省の発表によれば、山東艦隊は宮古島の南約220㎞の地点で活動した後、日本のEEZ(排他的経済水域)の外縁をなぞるように東へ移動し、日本最南端の地・沖ノ鳥島の南東約370㎞まで航行。そして連日、その武威を誇示するように艦載機の発着訓練を繰り返したのだ。 この動きはいったい何を意味するのか? かつて航空自衛隊那覇基地・第302飛行隊隊長を務め、外務省での勤務経験もある元空将補の杉山政樹氏はこう語る。 「1995年の第3次台湾海峡危機の際、中国軍は2隻の米空母率いる艦隊が出動すると手も足も出ず、...