ロシアの侵攻、自衛隊が教訓とすべき点は? 元陸自トップ語る 祖国を守るキーポイント コメント「民間防衛に関する教育や訓練に対する認識を高める意識転換が必要」「日本を将来ともに残そうと思うのなら国防を真剣に考え直すべき」
Photo by Sen Lee on Unsplash ロシアの侵攻、自衛隊が教訓とすべき点は? 元陸自トップ語る 祖国を守るキーポイント 5/11(水) 6:12配信 乗り物ニュース Yahoo!ニュース ロシアが採ったウクライナ侵攻のやり方 2022年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵略は、長期化の様相を呈しています。なぜこのような「泥沼」状態に陥ったのか、そしてウクライナ侵攻から考えることができる自衛隊への教訓は何なのかを、第32代陸上幕僚長を務めた 火箱芳文 (ひばこ よしふみ)氏に聞きました。 ――そもそも、ロシアはウクライナを攻めるにあたり、短期決戦を狙っていたといいますが、そのために採った戦術や戦略はどういったものだったのでしょうか? ロシア地上軍はウクライナに対して、「ロシア南西部から西進」「北側のベラルーシ領内から南下」「クリミア半島から北上」の3方向から侵攻しました。これにより、最終的にはウクライナ全域の占領を企図したものと思われます。このため、まず制空権の確保を目的として航空作戦を行い、併せてサイバー戦、電子戦を併用し、徹底した航空攻撃、ミサイル攻撃により軍事施設、通信施設といった重要施設の事前破壊を行っているでしょう。 その後、首都近郊の空港に空挺部隊、特殊部隊を降下させ、 ゼレンスキー大統領 に対する斬首作戦を実施しようとしましたが、首都および周辺の防備は固く、しかも北からの攻撃部隊との連携もうまくいかなかったため、この作戦は失敗したようです。 (中略) 自衛隊が考慮すべき戦訓とは ――今回のウクライナ紛争が自衛隊に与える教訓などはありますか? 今回のロシアによるウクライナ侵略が自衛隊に与える教訓は3つあります。 ひとつは、侵略に対する最後の砦は、やはり地上部隊(陸軍)であるということでしょう。圧倒的に海・空戦力の優勢なロシア軍に対して、制空権・制海権を取られているなかでもロシア軍の侵攻を食い止めているのは、ウクライナの戦車、火砲の支援を受けた地上部隊および民間武装組織です。「国防」とは、地上部隊が生き残って戦い、陸戦に勝利すること。これにより初めて独立は保持できるということを認識すべきです。 ふたつめは国民保護の重要性を改めて認識したという点です。侵略を受けたとき、子どもや女性、高齢者を避難させなけ