力による一方的な現状変更に反対 日米豪印・首脳会合、中国念頭 コメント「クアッドは何といっても安倍元首相の功績」「G7サミット会場の広島で発表されたことも重要」「是非日本主導で的確に対応を」


Photo 日米豪印首脳会合(クアッド).。20日、広島 出典:首相官邸HP

力による一方的な現状変更に反対 日米豪印・首脳会合、中国念頭
5/20(土) 20:54配信 KYODO Yahoo!ニュース

日本、米国、オーストラリア、インドは20日夜、4カ国の協力枠組み「クアッド」首脳会合を広島市で開催した。東、南シナ海を含むインド太平洋での力による一方的な現状変更の試みに深刻な懸念を表明し、強く反対することで一致。覇権主義的な動きを強める中国が念頭にある。強靱なインフラ支援の促進も申し合わせた。北朝鮮の核・ミサイル開発を非難し、完全な非核化へ向けた連携を確認。ロシアによる核威嚇や核使用は許されないとの認識を共有した。

会合後には共同声明を発表。「ウクライナで生じている戦争に対する深い懸念を表明」と表記した一方で、対ロシア制裁は盛り込まなかった。次回の対面会合は24年にインドが主催するとした。

岸田文雄首相は「国際秩序が脅かされる厳しい情勢の中、一堂に会し、国際社会を分断と対立ではなく協調に導く」と強調。バイデン米大統領は「自由で開かれ、安全で繁栄したインド太平洋地域の構想を推進するためのものだ」と述べた。

首脳会合にはオーストラリアのアルバニージー首相、インドのモディ首相も出席した。

原文は以下(KYODO)
https://nordot.app/1032623101957128429

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2023/05/20 
日米豪印首脳会合 - 外務省
 5月20日午後8時40分から約50分間、岸田文雄内閣総理大臣は、G7広島サミットに出席するため訪日中のアンソニー・アルバニージー・オーストラリア連邦首相(The Honorable Anthony Albanese, MP, Prime Minister of the Commonwealth of Australia)、ナレンドラ・モディ・インド首相(H.E. Mr. Narendra Modi, Prime Minister of India)、ジョセフ・バイデン米国大統領(The Honorable Joseph R. Biden, Jr., President of the United States of America)との間で豪州のホストのもと日米豪印首脳会合を行ったところ、概要は以下のとおりです。また、今次会合の機会に、日米豪印首脳ビジョン・ステートメント及び日米豪印首脳共同声明が発出されました。

1 4か国の首脳は、昨年の東京での会合に引き続き、対面での日米豪印首脳会合が開催されたことを歓迎しました。岸田総理大臣からは、日米豪印の連携を通じて、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜く決意を示していくことが一層重要であり、4か国の連帯と「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」という共通のビジョンへの強固なコミットメントを改めて国際社会に示す意義は極めて大きい旨強調し、4か国の首脳間でその旨一致しました。

2 岸田総理大臣から、東シナ海・南シナ海を含め、インド太平洋における力又は威圧による一方的な現状変更の試みへの深刻な懸念を表明し、4か国の首脳間でこれらに強く反対することで一致しました。

3 4か国の首脳は、北朝鮮の弾道ミサイルの発射及び核兵器の開発を非難し、国連安保理決議に従った朝鮮半島の完全な非核化へのコミットメントを再確認しました。岸田総理大臣から、拉致問題の即時解決に向けた各国の理解と協力を求め、各国から支持を得ました。

4 4か国の首脳は、ウクライナ情勢がインド太平洋に及ぼす影響について率直に議論しました。4か国は、領土一体性及び主権を含む国連憲章の原則の尊重を支持することを確認し、国連憲章に沿った包括的、公正かつ永続的な平和を支持する旨一致しました。また、岸田総理大臣から、ロシアによる核の威嚇は受け入れられず、ましてやその使用は許されない旨強調し、4か国の首脳間でその旨一致しました。

5 岸田総理大臣から、ASEANや南アジア、太平洋島嶼国といった地域の国々の声に耳を傾けながら、「善を推進する力」として、地域に真に裨益する実践的協力を展開していく重要性を強調し、4か国の首脳の間でその旨確認しました。4か国の首脳は、気候変動、国際保健、インフラ、重要・新興技術、サイバー、宇宙、海洋状況把握、海洋安全保障等、幅広い分野について、引き続き4か国の協力を深化させていく旨一致しました。

6 4か国の首脳は、日米豪印の取組を継続及び強化していく旨確認し、インドが来年の対面での首脳会合を主催することで一致しました。

[参考]別添
日米豪印首脳会合成果文書

日米豪印首脳ビジョン・ステートメント
原文(PDF)仮訳(PDF)概要(PDF)
日米豪印首脳共同声明
原文(PDF)仮訳(PDF)概要(PDF)


コメント

インドが急に反ロシアに舵を切った感じがある。中ロがどのくらい焦っているかわからないが、これからいろいろなことが動くのかもな。日本はぶれずに対応することだね。短期的には親中派は大人しくしててほしい。


主導したのが岸田さんなのか外務省なのか米国なのか知らんけど。 クアッドそのものは珍しく日本提案の安保枠組みなので日本に集まるなら積極的にセッティングするのは日本の務め。今回日本政府は珍しくちゃんと仕事したね。


善悪とか正邪ではなく、ロシアの弱体化は日本の国益につながるからウクライナを支援する。万が一ロシアが勝利したら中国が勢いづき、日本や世界各国に悪影響も出る。だから世界各国もウクライナを支援する。 日本は核保有国であるロシアの隣国。日本はロシアの軍事的脅威にさらされ領土問題も抱えている。 ロシアが敗北弱体化して疲弊すれば、日本の安全保障環境は改善し、日露外交も日本が有利になる。


クワッド参加国共通の監視対象国は中国。ウクライナ不法侵攻が裏目に出てまもなく落日するであろうロシアはNATOに対処して貰うとして、日本が今後最重点に警戒し対応すべきは中国だ。この点に関してはインドとも利害関係が合致する。クワッド立ち上げは日本外交の数少ない成果であり、是非日本主導で的確に対応して貰いたいと思う。


開かれたインド太平洋の安全と平和のためには日米豪印の協力が必要だ。G7サミット会場の広島で「力による一方的な現状変更に反対」との声明が発表されたことも重要だ。西側先進国である日本、アメリカ、オーストラリアに加えて、グローバルサウスの代表格であるインドも加わっていることがQUADに一層の厚みを加えている。今後も、インド太平洋地域の安定と平和のために一致協力して欲しい。


欧州内の実質ロシアとNATOの争いに過度に肩入れするより、東アジアに位置する日本がより重要視しなければならないのはむしろこちらだろう。ウ露戦争におけるロシアの侵攻を厳しく非難する一方、経済制裁には触れなかったのはエネルギーをロシアに頼るインドの意向やインドへの配慮が働いたと思う。いずれにせよロシアは既に眼中になく、対中国を明確にしている点は4国の利益が一致していて分かりやすい。 今後も中国は軍事力で威嚇を繰り返して来るだろうが、そちらに目を向けさせながら中国マネーを利用してロシアとは異なる侵攻のしかたで覇権拡大を狙うだろう。アメリカの財政が危ぶまれる中、中国に対する警戒はむしろ軍事的なもの以外に置く必要があろうし、インド太平洋地域においてウ露戦争のような疲弊を伴う軍事対立は何としても回避すべきだと思う。アメリカの暴走、欧州の介入を避けるためにもインドへの期待と役割は大きい。


クワッドは覇権主義を押し進める中国を牽制する意味から日本提案の安保枠組みであり、今回日本が議長国のサミット時に開催された意味は大きいと思う。ロシアとの関係を維持してきたインドが反ロシアに転換した振る舞いを仕出した今のタイミングも良かった。対中国への影響は大きいと思う。 立ち上げた安倍晋三元首相及び今回しっかりと開催に尽力した外務省を始めとする関係省庁の関係者は良い仕事をされたと思う。 そして先を見るとイギリスをもし枠組みに入れる事ができたら大きな国益になると思う。大切なのは当然だが双務的でない日米安保だけに依存しない体制を自国防衛の強化と並行して進める意義は大きいと思う。


そもそもクワッドは一帯一路の名のもとに覇権主義を押し進めようと企む中国を牽制するために構想された故元安倍首相の案である。彼の描いた日米豪印4ヶ国のダイヤモンド構想が、しっかりと起動に乗れば傍若無人な中国の力を封じ込め、強いては台湾有事、日本への危機回避にも繋がる。アジア太平洋地域及び世界平和安定のためにも今回の会談の意義は大きいと思う。さぞかし故安倍氏も草場の陰から喜んでいられると思う。


どうもNATOに比べて、対中国体制のクアッドは寄せ集め感が強い4カ国だ。『自由で開かれたインド太平洋』という安倍さんの提唱に乗っ取って集めればどうしてもこのメンバーとなるが。 これには英国も加えて厚みを増して欲しい。やはり英国の存在感は色々な面で大きい。米国の前の覇権国家でもある。英国は香港のこともあり、仏、独と異なり中国との関係は米国に近いのではないか。
 ↑
 クアッドは他の指摘にもあるように、中国周辺の海に強い影響力を持つ
 大国で構成されています。インド太平洋の海洋の法による秩序だけでな
 く、それによる経済安全保障の確保を重視した会議の枠組みです。
 つまり、中国と仲良くしたり交渉することではなく今の自由な海洋を奪
 われないようにする枠組みですから、英国の必要性は低いでしょう。 
 英国のインド太平洋における存在感や経済安全保障に果たせる役割を踏
 まえると参加は難しいと思われます。


G7は主に対ロシア 
クアッドは対中国 
たくさん集まるとまとめてできるな。世界の影響力のある政治家が全部広島にいるってのも面白い。ここまであちこちから集合するとかあまりないだろ。


インド太平洋クワッドは何といっても安倍元首相の功績だ。中立インドを引き入れた功績は計り知れない。親中だったオーストラリアを戻したのも。今回のサミットは岸田首相の功績は評価されるだろう。立ち位置が緩んでいない。


https://news.yahoo.co.jp/articles/67a6a09cb466238fbeb5daa6d992b5dfa1585035/comments

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