ガーナが事実上のデフォルト、大半の対外債務支払いを停止 コメント「ガーナの近隣諸国も」「アフリカ諸国は一帯一路政策などによる債務の罠に警戒する必要がある」


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ガーナが事実上のデフォルト、大半の対外債務支払いを停止
12/20(火) 7:14配信 REUTERS Yahoo!ニュース

[アクラ 19日 ロイター] - 経済危機に見舞われているガーナは19日、大半の対外債務について支払いを停止し、事実上のデフォルト(債務不履行)に陥った。

同国財務省は「暫定的な緊急措置」として、ユーロ債や商業ローン、ほとんどの二国間借り入れの返済をしないと発表。「ガーナが抱える債務の持続可能性を図るために全ての対外債権者と協議に入る用意がある」と付け加えた。

全文は以下(REUTERS)
https://jp.reuters.com/article/ghana-economy-debt-idJPKBN2T31IZ

関連

2017/10/12
中国流の対外援助、最大の勝者は中国企業 - THE WALL STREET JOURNAL
https://jp.wsj.com/articles/SB10619584679174994860804583448204027442708
 ガーナは2000年代初頭に水力発電ダムを建設しようとしたが、世界銀行の支援は得られなかった。そこに手を差し伸べたのが中国だった。

 このブイ・ダムは中国独自の対外援助を通じて建設された。総工費6億ドル(約675億円)の約半分は無償援助に近い条件での融資で、残りの半分は商業融資で賄われた。後者はココアの生産で得られる資金が返済に充てられることになった。

 米ウィリアム・アンド・メアリー大学に拠点を置く調査機関「エイドデータ」は最新の研究で、中国の慈善活動とビジネスの境界線の曖昧さについて調べた。調査対象は中国政府が00年〜14年に出資した4373件の海外開発プロジェクト。エイドデータの推計では、プロジェクト総額3544億ドルのうち2割は中国政府による無償援助などの形が取られた。別の2割は非常に曖昧で援助とビジネスの区別がつかなかったという。残りは商業活動が大部分を占めた。

 アジア、中東、アフリカのインフラを整備する「一帯一路(海と陸の現代版シルクロード)」という壮大な構想に着手した中国にとって、援助とビジネスを融合した開発モデルの重要性がますます高まっている。この構想が実現するには1兆ドルの費用がかかる見通しで、その規模は戦後の欧州諸国復興のために米国が推進した「マーシャルプラン」(現在の物価水準に換算)の7倍に相当する。

 中国はそうした野望を背景に、パキスタンのグワダル港やジブチのデータセンターなど、中国以外には資金の出し手が見つかりそうにない高コストのプロジェクトに資金を投じてきた。中国は国外初の海軍基地もジブチに開設した。だが、ベネズエラのような独裁政権や重債務国に融資を行ったことが批判にさらされている。

2022/09/17
一帯一路「問題債権」3倍の7.4兆円 中国は融資6割減 - 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0240A0S2A800C2000000/
中国が主導する広域経済圏構想「一帯一路」で、新興国向け融資の焦げつきが増えてきた。米シンクタンクによると、金利を減免するなどした債権は2020~21年に計520億ドル(約7.4兆円)と18~19年の3倍を超した。中国は新規貸し出しに慎重になり、20年の貸出額は18年の約4割に急減した。各国のインフラや資源開発に向かった中国マネーに当時の勢いはない。

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ここ以外にも、今のアメリカをはじめとした先進国の利上げの影響で、既に新興国の40ヶ国近くがデフォルト寸前の状況にあると言われている(数ヶ月前で)。一方で23年には新興国で償還期限を迎える債権が比較的少ないということもあり、超ハイリスク超ハイリターンではあるけれど、そうした新興国の債券で高利回りのものを敢えて取りに行くという考えのファンドもある。
ただ、これを見ても分かるけれど、世界経済で見ると、先進国でインフレが収まるころには、こうして新興国で混乱が生じたのがタイムラグを伴って先進国にも影響してくる可能性が高い。
世界的不景気は結構長引くかもしれない。


ガーナが事実上のデフォルトを宣言、更には大半の対外債務支払を停止したとのことですが、中国の一帯一路政策が否定的な影響を及ぼしていることを証明しているのではないでしょうか。それは、中国に債務を返済できずにハンバントタ港の「99年間に及ぶ租借」を余儀なくされたスリランカを見れば明らかです。
また、ガーナの近隣諸国も経済や財政の状況は似たり寄ったりであり、ガーナのデフォルトは、他国にも波及する可能性が高いのではないでしょうか。
いずれにしても、一度でもデフォルトに陥ると国際社会で信頼を回復することは至難の技であり、アフリカ諸国は一帯一路政策などによる「債務の罠」に警戒する必要があると思います。


当然これまでと同じ様に中国にも支援を要請するだろうけど、中国が即応するかどうかは分からないね。
工業製品の資源となる鉱物産出がガーナの魅力だが、
中国本土のパンデミックショックによる生産力低下がどれほど続くのか、ウクライナ情勢などの影響による経済混乱に付随した世界的な消費マインド落ち込み懸念など流動的な情勢があるので、ガーナの鉱山発掘権拡大が、今の中国にとって国策的なレベルでの魅力的な担保になるのかどうか分からない。
貿易相手としてもガーナにとって中国は主要貿易国だが、中国にとってはその他大勢の一つに過ぎないので、貿易決済不渡り回避の為に政府が介入するレベルにあるのかどうか、これも不明。
軍事拠点租借を担保にするにしてもインド洋側の国ならともかく、ガーナの位置は中国にとってあまり価値は無いでしょう。


国のトップ陣が本気で改革と改善を実行し続ける気がない国は、ずっと変わらない。
トップは豪華な暮らしで、庶民は極貧。
支援したところで、誰かのポケットマネーが潤う。下に届くのはわずか。
国民の国民性もある。
やっぱり勤勉で、努力したり、誰かのために無償でも動く精神が多い国とそうでない国の違いもある。
よく言えばおおらか、悪く言えば怠けものが多いお国柄とか、色々です。
他国の色々な工場とかに行き来して作業員や現地経営者と接している人ならわかるはず。
日本も、若者が早期リタイアとか、プライベート充実とかに重きを置き始めたが、
代わりに短時間でかなりの成果をあげられない人間が増えるだけなら、日本もあと何十年かしたら貧しくなる可能性が高い。


ガーナは、日本は野口英世の終焉の地という縁もあるので、ガーナにとっては最大の「援助国」ではあるが、近年中国の投資により鉱業(金・ダイヤモンド)や建設を行ってきている。
このデフォルトで最も警戒すべきは、中国が債務償還の代替としてガーナ国内の要所(港湾や空港等)に租借権を設定する事。そうなれば、ガーナ国内の生産物の輸送は中国に一手に握られる。逆に、日本が同様の措置をして、輸送を握るという手もあるが。


これからかなりの国が債務不履行に陥るか、
国を担保にしてあまりよろしくない筋の借り入れを始めることになる。
資本主義経済圏は豊かなごく一部を除き崩壊する。
日本はまだ通貨経済輸出で価値があるから成立しているが、歯車が大きい分、かなり苦慮するだろう。
西側の勘定で生きられなくなった国は、しかしながら生きるための選択を探す必要がある。
その結果、ロシアをはじめとした東側諸国、あるいは第三極たる中東エリアに組み込まれる可能性もあるだろう。
世界は極めて不安定な、WW1前夜あるいはWW2前夜の様相となった。
日本もあらゆるオプションを排除せず、国が生きる道を真剣に模索すべきだろう。


やはり外債は破綻の元だな。とはいえ途上国が内国起債だけで回すのは難しいところもあるだろうし、ましてやガーナはカカオのモノカルチャー経済だ。工業化し産業を作り内需を育てないと状況は変わらないだろう。しかし、その原資は国外から借りねばならない、という矛盾に陥ってしまう。
民間投資を募ろうにもリスクがあって集まらないとなれば、国主導でやらざるを得なくなる。ODAのような無償支援だけでは足りないし、どこかで一度工業化に舵を切らざるを得ないのだろうか。


ガーナは2007年に7.5億ドルのユーロ債を発行して以来、2021年までに計13回ユーロ債を発行してきたが、債務残高はGDPの8割に達し、返済が厳しい状況に陥っている(11月16日付けFT)。
自国通貨建て国債の日本ではデフォルトは有り得ない、とは財務省のコメント。
インフレのみ要注意だが、一兆円増税などと消費マインドを下げ続ける今の政府の元では、需要が供給を上回るなど想定出来ない。


このデフォルトの裏に中国の進出が影を落としているのではないかな?アフリカ諸国は、もっと目先のエサに安易に飛びつくのではなく、もっと将来的な見通しをもった行動が必要だと思う。中国の自国第一主義的な進出の元、今後、このようなケースがドミノ式に増えてくるのではないだろうか。


デフォルトせざるを得なかったのだろうが、一度デフォルトすると信頼回復は難しい。
「あのときデフォルトしたよな」ってことで、将来の世界不況時や経済低迷時に資金が引き揚げられ、またデフォルトしやすくなる。
一方で日本は戦後賠償などを含めてデフォルトしたことがない。
だから世界不況のようなときに、「日本は絶対にデフォルトしない」と、資金退避先として日本の国債が買われる。
だから、デフレ経済などで苦しんでいても、円高になったりするわけだ。
ただ、一度でもデフォルトすれば、そういう国際的地位は一瞬で崩壊する。
日本は、国債などの公的債務は右肩上がりだ。
今後も「絶対にデフォルトしない国」の神話を維持できるだろうか。
ガーナを他人事のように思っていられなくつつあるよ。


記事を読まれましたか?ガーナは対外債務、日本は対外債務どころか対外債券国ですが。
この様な煽り記事にオタオタするより、経済成長をどう持続的にさせるかを考えた方が良いと思いますが。

絶対にしません。わざとやらない限りしない。自国債の保有者はほぼ国内。しかも円。他国からの借款がほとんどの国とは意味合いが異なる。アメリカの4倍資産があり、バランスシートも最強。日本が破綻する前に世界のほとんどの国が破綻する。


> 結局のところアメリカのエゴで中国をデカップリング
これは完全に中共の扇動ですね。
そのずっと前から中国はgoogle,youtube,Yahoo,Facebookその他コミュニケーションや動画などのサービスは完全に一方通行でデカップリングしています。
Nasdaq等米国の証券市場へ上場しているにもかかわらず、会計の根拠となるデータを開示させません。
民主主義・資本主義のルールを破りながら恩恵だけ強奪しているのに、自分たちの都合が悪くなると米国はルールを守らないと主張している国の言うことを信用してはいけない。


最近は多くの国がデフォルトになっているな。
ただデフォルトと聞くと、中国の一帯一路による高金利融資を想像してしまう。


一帯一路なんてもっと酷いぞ
安い値段で入札、いい所はそこまでで、内容は杜撰、
製品は粗悪、
更に工期も大幅に遅滞、
借金漬けにして中国から逃げられなくし、借金をかたに港や国の重要拠点等を事実上中国のものにしてしまう
そして自国民は中国人に顎で使われている
これにやられてるアフリカ、アジア諸国の多い事
安かろう悪かろうの局地


中国からの貸付で道路作ったけど、作業員も中国から連れてくるのでガーナの経済は潤わない。
借金ばかりかさむ罠にかかった末路です。


スリランカやガーナに続き、今後破綻する可能性のある国が多い。 
そもそも貸金主の中国自体の経済状況が急激に悪化しているようだ。


https://news.yahoo.co.jp/articles/f9e19672c37b34eafa6594f97815f4f9a93a482e/comments


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