日米共同統合演習「キーン・ソード23」ルポ㊤ 緊迫する対中関係 護衛艦「いずも」で見た台湾有事のシナリオ コメント「中型空母の大きさだがなかなかのサイズ」「中国に台湾有事を思いとどまらせる意味合いも」


Photo DDH-183「いずも」 出典:海上自衛隊ホームページ 

日米共同統合演習「キーン・ソード23」ルポ㊤ 緊迫する対中関係 護衛艦「いずも」で見た台湾有事のシナリオ
12/29(木) 22:00配信 産経新聞 Yahoo!ニュース

自衛隊と米軍の共同統合演習「キーン・ソード23」が11月10日から19日まで鹿児島、沖縄両県の離島などで実施された。日本を取り巻く国際情勢が悪化するなか、日米だけなくオーストラリア、カナダ、英国も参加した大規模演習は、まさに台湾有事を想定したものだった。現場で記者が見たものは-。

■海外メディアからも高い注目

14日午前6時半、国内外の記者二十数人を乗せた陸上自衛隊のCH47大型輸送ヘリコプターは、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県鹿屋市)を出発した。目的地は自衛隊と米軍の共同統合演習「キーン・ソード23」の共同記者会見場となる自衛隊最大級の護衛艦「いずも」が展開する南西諸島東方沖だ。

取材には香港メディア亞洲週刊や米紙ウォールストリート・ジャーナルの記者も参加しており、海外メディアの関心の高さもうかがえた。離陸から約1時間半後の午前8時過ぎ、艦載機を満載した米海軍の空母「ロナルド・レーガン」が眼下に見え、数分後には「いずも」が姿を現した。

ヘリが「いずも」と並行するような位置につけると、大きな揺れもなく着艦し、甲板に降りるよう指示された。搭乗から着用していた救命胴衣と防音用イヤーマフを外し、甲板に踏み出した。次の瞬間、耳をつんざくような音とともにローターが巻き起こす風、そして海からの強風が甲板上を駆け抜け、身体が持っていかれそうになる。

「止まらないで!」

強風にふらふらとよろめきながらシャッターを切ろうとする記者らの背中を押しながら、自衛官が甲板上の安全な場所に誘導してくれた。甲板上の自衛官たちは強風をものともせず、もちろん記者のようによろめいたりもしない。

われわれが着艦した「いずも」は、全長248メートル、全幅38メートル、高さ約49メートル、基準排水量1万9500トンの日本最大級の護衛艦。全長は東京都庁を横にした長さ、高さはファッションビルの渋谷109とほぼ同じという。地上6階、地下8階で定員470人、最大千人が乗艦でき、対潜哨戒ヘリなど9機が収容可能だ。

「いずも」は全通甲板を持つ護衛艦として平成24年1月に起工し、27年3月に就役した。同型の「かが」が2番艦となり、現在、F35ステルス戦闘機などを恒常的に運用するための改修が施されている。艦は長く、広く、高く、海に浮かぶ要塞そのものだった。

■台湾有事想定のキーン・ソード

「キーン・ソード」は昭和60年度から始まり、ほぼ2年に1度実施されてきた。今回の主要なテーマは、グレーゾーン事態から武力攻撃事態に至るまでに発生するさまざまな事象に対して、陸・海・空自衛隊と米軍が共同して対処し、課題を掘り起こすことだった。今年度の訓練は11月10日から19日まで台湾有事などを念頭に鹿児島、沖縄両県の離島などで実施。日米合わせて約3万6千人、艦艇約30隻、航空機約270機が参加した。

さらに豪州とカナダ、英国も艦艇や航空機をそれぞれ派遣し、初めて共同演習に加わった。そのほか弾道ミサイルへの対処や島嶼(とうしょ)防衛などを想定し、宇宙・サイバー・電磁波作戦なども行われた。

一連の作戦の中核を担う「いずも」では、自衛隊制服組トップの山崎幸二統合幕僚長と、在日米軍司令官のリッキー・ラップ中将が記者会見し、強固な日米同盟と抑止力を内外に示す狙いがあった。

■「いずもに宿泊も」 どよめく報道陣

「いずも」に着艦して間もなく案内された艦内は、外の騒々しさが信じられないほど静かだった。急な階段を下りると、緑の廊下が延びていた。最長で200メートルあるという。壁は白く無数の配管がむき出しのまま壁面を走り、まるで工場のような印象を受けた。

迷路のような艦内を進み、通されたのは普段は乗員たちが筋トレやレクリエーションなどで使うという甲板直下の「第一保養施設」。ここで共同記者会見の進行や「いずも」の概要などの説明を受けた。

「悪天候で帰りのヘリが飛ぶかどうかわからない。飛ばない場合には『いずも』に宿泊してもらう」

海自幹部が開口一番、こう口にすると、報道陣からどよめきが起こった。幹部が「あくまでも最悪の場合だ」と付け加えると、記者団に安堵(あんど)の色が浮かんだ。

海自が運用する「いずも」は高い戦闘能力を持つ。記者団から自衛隊の艦船と海上保安庁の船舶の違いを問われ、海自幹部は「海保は海の警察で取り締まりが目的だ。こちらは相手に致命傷を与える装備を持つのが最大の違いだ」と語った。一方で、「いずも」の航行海域については、「作戦上の理由」から「南西諸島東方沖」という漠然とした情報のみが伝えられた。

何げないやり取りひとつひとつに緊張感があり、厳しい安全保障の最前線にいるという実感が湧いてきた。

全文は以下(産経新聞)
https://www.sankei.com/article/20221203-7HGO4YIT5JOI3IO7MTBG775EFY/photo/WZUVV2KLYVMHPDONKACIJBGTQA/

コメント

台湾有事も勿論だが、我が国は何故か理屈の通らない反戦市民団体が存在するする!この団体はいざ有事になったら、相手国に押しかけて抗議行動をする気概あるのだろうか⁈


全長210m、排水量2万トンと言えばミッドウェーで沈んだ飛龍並みか
中型空母の大きさだがなかなかのサイズ
いままで本格的に空母を運用した国は日本とアメリカしかない
海上自衛隊は旧海軍の伝統を引き継いでいるはずだから運用術も残っているのではないか
なぜこのような攻撃的な兵器を持つのか?とか言う人もいるが
戦術にタガをはめない方がいい
自ら闘い方を制限しているようなもの
いざという時に肝心なことが出来ないから負けた、みたいな話では済まない


> ラップ氏は離陸すると、黒いリュックサックから取り出した缶コーヒーを口にし、チョコレートバーやポテトチップスで空腹を満たしていた。隣に座る副官に何度も勧めて断られる姿がほほえましい。部下思
この記事で一番印象に残った部分。
部下が上官に勧めるならまだしも、逆の上に断られる。日本ならあり得ない。この風通しは魅力的ですね


なんか海自側のコメントが命令口調ですが実際は「です、ます」でしょう。
緊張感を出したかったのかな?


こうした訓練を続けることで中国が軍事行動を起こしてくれれば中国を潰す足掛かりが出来る。分かりやすくエスカレートさせるべきだ。


これは中国に台湾有事を思いとどまらせる意味合いもある。


他人の軍事演習は全部「挑発」


自衛隊はPRの為にマスコミを載せる事が必要かもしれませんが、日本のマスコミは信用出来ませんよ。ご注意を…


https://news.yahoo.co.jp/articles/7d76952096422929825e90d437feb9c082def982/comments

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