「香港はイギリス植民地ではなかった」 香港の新教科書に記述 コメント「詭弁極まる」「こういう姑息な事をし続ける限り本当の意味での信頼を得る事は不可能」「歴史の修正をいくら試みても人々の記憶と心までは変えられない」


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「香港はイギリス植民地ではなかった」 香港の新教科書に記述
6/16(木) 15:51配信 BBC NEWS JAPAN Yahoo!ニュース

フランシス・マオ、BBCニュース 香港がイギリスの植民地だったことは一度もない――。香港の学校で使われる新しい教科書にはそう記述されると、現地メディアが報じた。

新たな教科書は、香港でイギリスは「植民地支配を実施しただけ」だと明記する。この区別は、香港をめぐって中国の主権が途切れたことはないとする、同国の主張を強調している。

中国は一貫して、主権は放棄しなかったと主張している。香港をイギリスに渡したのは、1800年代のアヘン戦争における不当な条約のためだったとしている。

イギリスは1841~1941年と1945~1997年の2度にわたって香港を150年以上統治し、1997年に中国に返還した。

香港は水深の深い港をもち、活気あふれる都市国家と世界有数の金融センターへと成長した。イギリスは統治時代、香港を植民地や属領と呼んでいた。

現地メディアによると、新たな教科書は「植民地」と「植民地支配」の違いをわざわざ説明する。ある国が国外の領土を植民地と呼ぶには、その領土をめぐって主権と統治権をもつ必要があるとする。

香港の場合、イギリスは「植民地支配を実施しただけであり(中略)ゆえに香港はイギリスの植民地ではない」と、教科書は説明するという。

この教科書は、市民としての理想、合法性、愛国心に焦点を当てた特別科目のために作られた。

同科目は、広範な批判的思考能力と市民の役割に関する思想を教えてきた一般教養科目に代わるもの。

中国当局は、2019年に香港で大規模な民主化運動が起きた際に、この科目を直接的に批判。こうした教育が若者を「過激化」させ、誤った考えを植え付けていると主張した。

現地メディアによると、新たな教科書はまだ印刷されておらず、中国当局の最終承認を待っている。その内容は、2019年の大規模な民主化デモを安全保障上の脅威とした北京の見方を反映している。

香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、この抗議行動について、「国家主権、安全、利益を脅かす活動の中で、分離と政府の転覆を提唱した」とする抜粋を掲載した。

2019年の抗議行動は、暴力も発生したが、おおむね平和的だった。人権団体は、平和的なデモ参加者に対して警察が暴力や虐待をはたらいたと非難している。

香港の元民主派議員で、現在は亡命している李軒朗(ティモシー・リー)氏も、歴史の「書き換え」への懸念を表明。新たな教科書の見本では、2019年の抗議行動が「暴力的テロ活動」などとされているとツイートしている。



https://twitter.com/TimothyLee_HK/status/1536260818710540290

(英語記事 New textbooks say Hong Kong wasn't British colony)

全文は以下(BBC NEWS JAPAN)
https://www.bbc.com/japanese/61821112

コメント

香港返還から25年を迎える今年、香港メディアでは、中国に復帰した事によって香港は更に発展したと盛んに宣伝をしたり、特別ドラマなどを放送しているが、もし中国が本当に素晴らしい国で、香港市民から尊敬を受ける様な指導者や制度があるとしたら、わざわざこういう宣伝をしなくても、自ずと住民から歓迎の声などがあがったりするはず。
香港市民からの反発や不信感が今も変わらないからこそ、教科書の記述を変えたり、イギリス式だった警察の行進時の歩き方を中国式に変更したりと、イギリス統治の名残を消してゆこうとするのだろうし、こういう姑息な事をし続けている限り、香港市民からの本当の意味での信頼を得る事は不可能だと思う。


主権を放棄した事が無かったという主張が極めて重要です。
他国に占領されて植民地支配を受けていたとしても、その地域の主権は決して放棄してはいないという見解ですが。
この論理に従いますと、清王朝の時代にロシア帝国ロマノフ王朝に奪われた地域の主権も放棄はしていないという事になります。
現在ロシア軍は侵略したウクライナで消耗戦を強いられていますが、手薄となっているロシア連邦との国境地帯の様子を慎重に観察して、主権を放棄していない地域を奪還する好機を窺っている可能性が極めて高いです。


自分は1985年ごろから1995年ぐらいまで数十回香港を訪れた。
不思議な混とんとした世界と活気ある町、独特のにおい、
重慶マンション界隈に集まるバックパッカーたちとの交流や
香港島と九龍半島の間のごちゃ混ぜにしたような街並みと見事な夜景、
その反面、香港島反対側の豊かな自然など、底知れぬ魅力を持った街だった。
香港側から中国の深圳にちょっと行ったがその差に衝撃を受けたものだ。
中国に返還されてからは一回も行っていない。
すっかり自由な雰囲気は失われてしまったのだろう。とても残念だ。
全体主義や権威主義はちょっとした隙をついて民主主義を破壊しようとしてくる。
民主主義を守る意識を大切にしたい。
そして、今度の選挙も大切にしたいと思う。


中国は古来、易姓革命と焚書坑儒の国なので
前王朝であった事はことごとく上書き消去され味噌も糞も無かった事にされるのは珍しくありません。
中国の正史では中華民国の総括はおろか清朝の総括すらも為されずに一方的に現政権の正当性を強調するのみです。
日本史においては、多分に裏はあれど旧幕閣だった榎本武揚や勝海舟みたいな人も重用されますし
また戦前の満洲国でかなりダーティーな部分を担当していた岸信介や児玉誉士夫、笹川良一みたいな人物でも戦後免責されて活躍出来たりするのです。
どちらが良いとか悪いとかいう事ではなく、歴史観や罪というモノの捉え方が全く違うという事です。


香港在住です。
これは実にナンセンス。
香港の人たちはとても洗練されているが故、大陸中国のことをとても嫌っている上、イギリス植民地時代の方が良かったとさえ言っています。
九龍・紅磡(ホンハム)にある香港歴史博物館は、最近すっかり展示内容が変わり、香港の発展はすべて中国が成し遂げたかのように表現されてしまっていますが、地元の人はそんなことはつゆほども思っていません。
歴史の修正をいくら試みても、人々の記憶と心までは変えられないのです。


厳密に言えば、香港島と九龍半島は英国の永久領土でそれ以外は租借地だったはず。だが、英国は本来の歴史的事実と香港全土の経営を断念する事にして全て手離す事にした。だからこそ時間をかけて香港の都市国家としての独立を英国は促すべきだったと思う。


そんな屁理屈が通る訳がない。正直に歴史を理解しなければなりません。清国が英国とのアヘン戦争に負けて香港を割譲し、その主権は英国になった。英国から派遣された総督が統治し、紙幣も香港ドルが流通し、警察権も総督のコントロール下にあった。これで主権が中国と言うのは間違い。


香港は真実、イギリスの植民地になったことはない、当時の中国から借地権を持って借りた土地である。
但し、現在の中華人民共和国とは一切関係は無いことも事実である。中華人民共和国は歴史は前の大戦後成立した。従って、現中国が所有を堅持することは香港人の許可なくして出来ないことも事実である。


仰る事は概ね同感ですが、アヘン戦争翌年の1842年、南京条約により、「香港島はイギリスに永久割譲」されました。
更に、アロー戦争に伴う北京条約にて、1860年に「九龍半島もイギリスに割譲」されています。
なので、”中国から借地権を持って借りた土地であって植民地ではない”というのは事実と異なります。
※一部、周辺の租借地を除き
香港は(日本が占領した数年間を除き)1997年の返還までは、借りた土地ではなく、完全なるイギリス領です。


まさにものは言いようの理屈ですが、この先この主張が中国における歴史の真実となっていくのでしょう。
ただ例え中国がこの論を世界に認めさせようとしても客観的事実は変えられません。


確かNHKの番組で、香港の選挙制限について、体制側の議員が「国にとって好ましくない人間が議員になってもしょうがないでしょう?」と笑いながらコメントしていた。
もし私がその場にいたら、「ですよね。日本でも『共産党の』議員なんてめったに当選しませんからね。」と言ったであろう。


条約上は清国政府から英国政府に99年間の貸与って扱いになるから主権は中国って理屈か
まあこれは詭弁になるが、土地の貸与を植民地と呼べば在日米軍基地だってアメリカの植民地ってことになってしまうもんな


いや詭弁極まるなぁ。
そも中国共産党は当時なかったし、清を継承もしていない。
割譲されたけど植民地ではないとか無理がある。


>2019年の抗議行動は、暴力も発生したが、おおむね平和的だった
それはいくらなんでも嘘だろう


習近平体制というのは、つくづく愚かな体制だと思う。あのデモへの対応にしても、初期対応で名目だけの譲歩をして民主派にアメをしゃぶらせておけば、多くの中道派の市民はそこで引き揚げて、デモは自然に沈静化していた。しかし、最初に高圧的な対応をしたために対立が激化し、結局力で抑え込むしか方法がなくなった。もし、香港をなだめていれば、今でも外国人がせっせと香港ビジネスで政府にカネを貢いだはずだが、ウイグルや台湾への非人道的な対応と合わせて、海外の中国への信頼と評価を奈落の底まで落とす結果となった。このような歴史の改竄にせよ、香港市民の反発と海外からの冷笑と非難を倍加するだけで、ひたすら世界から孤立する道を歩んでいる。実際、コロナ対応とロシア擁護によって、親中派だった欧州ももはや付き合いきれないと中国から距離を置いている。独裁国家で愚かな指導者を抱くと、国がここまでおかしくなるのかと思えてくる。


https://news.yahoo.co.jp/articles/006b4d2afd311d8b79ba52f8ec68ae3af6ceb6f3/comments

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