ロシアは常任理事国の特権も失うか、40年ぶり開催のESSとは コメント「制度事態が限界に」「ある程度の強制力は必要」「侵攻当事者なら一定期間は拒否権行使は認められないようにするべき」


Photo 国際連合安全保障理事会会議場 Bernd Untiedt, Germany / wikipedia 

ロシアは常任理事国の特権も失うか、40年ぶり開催のESSとは
安保理を機能不全にしてきた常任理事国問題、ついに俎上へ
3/28(月) 6:01配信 JBpress Yahoo!ニュース

 国連は、「平和のための結集」決議に基づき「緊急特別会期(ESS)」を開催し、平和維持部隊の派遣を含む軍事的強制措置を採択すべきである。

 国連総会は3月2日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて「緊急特別会期/会合(Emergency Special Session:ESS)」を開催し、ロシアに対して軍事行動の即時停止を求める決議案を141カ国の圧倒的賛成多数で採択した。

 193の国連加盟国のうち、反対票を投じたのはベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、ロシア、シリアの5カ国のみで、棄権は35カ国だった。

 日本を含めた90カ国以上が共同提案したもので、決議に法的拘束力はないものの、ロシアに対して「即時に完全かつ無条件で、国際的に認められたウクライナの領土からすべての軍隊を撤退させるよう」強い言葉で要請している。

 国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「国連総会のメッセージは強力で明確だ。ウクライナでの戦闘行為を今すぐ止めろ。銃声を今すぐ静めよ。対話と外交への扉を今すぐ開け」とロシアに呼び掛けた。

 ロシア軍の即時撤退などを求める安保理決議案が2月25日、ロシアの拒否権によって否決されたことを受け、米国とアルバニアがESSの開催を提案した。

 安保理は27日に採決を行った。米欧など計11か国が賛成、ロシアが反対、中国とインド及びアラブ首長国連邦(UAE)が棄権した。

 ESSの開催要請に必要な9か国を超える国が賛成したことにより、安保理は、事務総長にESSの開催を要請した。ESSは2月28日から開催されていた。

 このESSは、1950年11月3日に総会で採択された「平和のための結集(Uniting for peace)」決議(総会決議377A)に基づくものである。

 拒否権制度は、集団的安全保障制度を実効的ならしめるために導入された。

 しかし、冷戦開始とともに拒否権は濫発され、むしろ常任理事国の国益のために拒否権を行使するという弊害が目立つようになり、当初想定された集団的安全保障制度が十分には機能しなかった。

 そのため、拒否権の濫用防止のため、いくつかの方法が編み出されてきた。その中の一つが、この「平和のための結集」決議である。この決議は、

 (1)安保理が拒否権のために行動を妨げられたときは、総会に審議の場を移し、

 (2)総会の3分の2の多数で集団的措置を勧告できるなど安保理が国際の平和および安全の維持のために果たすべき機能を総会が代行しうるようにするものである。

 今回のESSでは、「軍事行動の即時停止を求める」ものであったが、国連は、停戦勧告などの事態の悪化防止への暫定措置の要請(憲章第40条)から、経済制裁や金融制裁などの非軍事的強制措置の適用(憲章第41条)、海上封鎖などの軍事的強制措置の適用(憲章第42条)、国連軍の組織と制裁行動(憲章第43条)までの集団的措置を取ることができる。

 もし、ロシアが大量破壊兵器を使用した場合には、国連は、「平和のための結集(Uniting for peace)」決議(決議377A)に基づきESSを開催し、平和維持部隊の派遣を含む軍事的強制措置を採択することを筆者は期待している。

 以下、初めに、国連創設の軌跡について述べ、次に拒否権濫用防止の試みについて述べ、次に「平和のための結集」決議について述べ、最後に国連安保理の改革について述べる。

全文は以下
https://news.yahoo.co.jp/articles/5dad3ebe4c1e5a1305ebe821176191abdb644a1c

JBpress
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69451

コメント

願わくば、この国連において、現在の機能不全を解消するべく、改正を行い、自浄されて、本来の、求められている機能を発揮できるよう、変わっていくことを期待する。駄目だから、別の物をというのは、争いを残す。継続性、歴史という重みを備え、社会の発展・変遷に対応して、現状在るべき姿にupdateされて維持されているものの方が、より正当性を具現化するから。
第二次世界大戦の戦勝国優遇は、冷戦後の変遷を踏まえ、変っていくべきでした。
そして宗教においても、同様の組織を設置し、国連と連携し、合意形成を図るべきです。古くから、宗教も戦争に深く関わっています。政教分離して、連携すべきです。これは難しいことかもしれませんが。宗教の和解、合意、妥協、連携は重要です。


そもそも、ロシアの問題だけではなく、米軍のシリア空爆もそうですし、戦争に対しては制度事態が限界に来ていると個人的に感じます。
発足の経緯事態、勝戦国の為の国連なので仕方ないのですが、拒否権というものがある以上は常任理事国の思惑通りものが進みます。
本当に、平和を望むのであれば、常任理事国という制度を撤廃し全ての国の多数決にするか(これも、中国のようなお金を持っている国が買収の可能性あり)、拒否権のシステムをなくして、常任理事国の多数決にしてはいかがでしょうか。


戦争には、どちらの側にも言い分がある。正しいとか正しくないとか、価値観、宗教間の違いから。しかし、今回のウクライナのように一方的に領土に攻め来られた時は侵攻そのもので、まして世界の平和を監視する理念を持つべき(理想論だが)常任理事国のロシアが侵攻当事者なら少なくとも一定期間は、拒否権行使は認められないようにするべきだ。そうでないと国連軍の存在意味がない。紛争・係争国の背後からの支援は、戦争当時者と見るのは難しいが、それぞれの国の軍隊が前面で攻撃しているのは戦争当事者にみなされるのは当然。


もちろん法的な拘束がなくても「ロシアのやり方は国際的に支持できない」っていう姿勢を見せて行くことは大切。
例えば批判が多いアメリカのイラク戦争も、安保理決議で武力介入と滞在許可を最終的に取れているというのは大きいので、「アメリカもやったんだからロシアを非難できないじゃないか。」というロシアの言い分に「国際的なコンセンサスを最終的に取れたことだ」と言い返せると思う。


現在の国連は先の大戦の勝ち組(とされる大国で常任理事国の面々)が
世界を管理するための組織なので、その常任理事国同士が戦争状態になることはそもそも想定されてないし、崇高な理念は仮面みたいなもの。
なので、例えば日本国内に例えると、自衛隊、警察が仲間割れしてる状態で内戦やってるようなもので、収束させる方法は基本的にないのよね。
こういった場合、”何が正しいのか?”と決められるのは強制力を持った者だけどもしその強制力を実際に行使するとなると恐ろしいことが起こる。
そうなる前にこの戦争の”原因”が速やかに消去されることを望むのみです...


ESSは知りませんでした。
議案が常任理事国対象の場合投票権を停止して欲しいですが無理でしょうね。また常任理事国廃止も無理でしょう。これは5カ国に与えられた特権。中露のみならず英米仏も賛成すると思えない。
ESSの制度があるならば早急に開催して平和維持軍が介入して双方の戦闘を停止してもらいたい。戦争は第三者がいないと最後まで行ってしまう。一般市民の被害が広がるだけ。そして可能なら戦争開始前の状況に戻してもらいたい。


ロシアが常任理事国の特権を失ったら、今の国連も効力を失う。
米・ロ・中(英仏の発言権は少ない)による国連がロシアを制裁できると、そういう本末転倒な想像はやめた方がいい。
かと言って、国連を再結成などの提案の実現も難しい。
なぜなら、(中はともかく)米自身はそれを認めるわけがない。


国連は核保有国を囲う感じで作られているんで大国を仲間内に、せめて話し合いの場に入れておくのが重要だからね。旧国際連盟は今よりも陳腐でソ連も脱退、常任理事国だった日本も脱退し、ドイツも離脱。アメリカに限っては参加すらしなかった。経済制裁による国民が過激な政策を求めるようになり、連盟脱退による孤立化は戦争につながったからね。常任理事国の旨味と、平等主権により小国であっても世界に発信できる場所は維持しとかないとね。


同じ国連加盟国でありながら、極一部の国が拒否権を持っていて、決定を左右できるというのは、時代遅れの欠陥制度だと思います。
何も決められないのなら、国連の存在意義はありませんし、存続するのなら多数決で議決された事なら、ある程度の強制力は必要ではないでしょうか。


141カ国の賛成を得ても、侵略行為を即時やめて撤退しないのが常任理事国なんだからどうにもならないですよね‥‥てのが本音です。
国連の改革は必要であるし、どうにもならなければ新たな枠組みも必要に感じます。
国連に必要なのは、無法国家にためらいを持たせる制度でしょう。過去を引き合いに出してお互い様だと言っても意味がない。
今現実に起きてるウクライナ侵略みたいな行為を止めることが出来なければ、国連の存在意義がなくなってしまう。
動けない平和維持軍など無いのと一緒です。


ロシアの常任理事国剥奪だけではなく、国連追放が妥当。
それだけの事をしていますし、今後の中国を牽制する意味でも必要だと思います。



ここで常任理事国から外す事が出来ず、常任理事国と言う制度も無くす事が出来ないのなら
結局、国連は有事の際に仲裁も制裁も行う事が出来ず、何の役にも立たない機関と言うレッテルを押される事となる。


https://news.yahoo.co.jp/articles/5dad3ebe4c1e5a1305ebe821176191abdb644a1c/comments

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