菅偉義首相をワシントンに呼びつけたバイデン大統領の本心 ネット「クアッド、FOIPは重要」「辞める総理を揶揄する理由全くない」「対中国という局面で本当に腹を括らないといけない岐路に」


White House Photo by Srikanta H. U on Unsplash 

菅偉義首相をワシントンに呼びつけたバイデン大統領の本心
クアッド対面会議を確約させ、総裁選に「内政干渉」も
9/11(土) 6:01配信 JBpress Yahoo!ニュース

■ 退陣を知ったバイデン氏は菅氏に電話した? 

 菅義偉首相が9月下旬に米国訪問することが決まった。


 退陣が決まっている「レイムダック」の菅氏が訪米すると聞いたワシントンの日米関係者は耳を疑った。

 米国の知日派の一人ですら、筆者に「悪い冗談はよせよ」(It does not pass the laugh test)とせせら笑った。

 「バイデン氏がどうしても来てほしい、と言っている」との続報にさらに驚いた。バイデン氏はなぜ、菅氏とまた会いたがっているのか。

 だがすべて事実だった。その背景について米国務省関係者B氏がこう説明する。

 「菅氏が辞めると知って一番驚いたのはバイデン氏だったはずだ。去る3月、日米両国とオーストラリア、インドの4カ国(通称クアッド、Quad)がオンライン形式で首脳会議を行った際に、4カ国は年内に対面会議をすることで合意していたからだ。

 それなのに菅氏はどうして政権を放り投げたのか。無責任ではないか、とバイデン氏は頭にきたようだ。

 その後、側近から菅氏が自民党総裁の無投票再選戦略に失敗、党内の求心力も低下し、総裁選出馬を断念せざるを得なくなったことを聞いた。

 バイデン氏にとっては青天の霹靂(へきれき)だった。菅政権は短命に終わるだろうが、これほど早く瓦解するとは思っていなかった。

 確証は掴んでいないが、私の手元に入ってきた情報によると、菅氏は某日、バイデン氏に電話をし、退陣を決めた経緯を説明したらしい。

 そこでバイデン氏は、「クアッド初の対面首脳会議は予定通りやりたいから出席してほしい。もう一度会おうじゃないか」と頼み込んだという。

 そう言われてみれば、9月3日以降の菅氏自身、退陣に向けた残り1カ月の政治日程には「含み」を持たせていた。

 菅氏は、3日の党臨時役員会でこう切り出した。

 「新型コロナ対策に専任したい。総裁選には出馬しない」

 当初、週明けの実施を目指した党役員人事・内閣改造を撤回したのだ。菅氏は、さらに首相官邸で記者団にこう述べた。

 「首相になってから1年間、新型コロナ対策を中心とする、様々な国が抱える問題に全力で取り組んできた。コロナ対策と選挙活動を考えたときに、やはり両立はできない」

 「国民の命と暮らしを守る首相として(コロナ対策などを)やり遂げたい」

 ここで指摘した「コロナ対策を中心とする様々な国が抱える問題」の中には米国との取り交わした対中戦略、そして「クアッド」が含まれていたのだ。

 退陣直前の総理大臣の外遊が異例であろうとなかろうと、菅氏はワシントンに行くことを決めていたのだ。 

 加藤勝信・官房長官は9月9日の記者会見で退任する首相による訪米について記者団に聞かれると「主催者の米国(つまりバイデン大統領)が判断することだ」と答えた。

 バイデン氏からの強い要請があり、菅氏が受け入れたことを暗に認めていたわけだ。

 バイデン氏としては、クアッド首脳会議に出席した菅氏と再び会談し、労をねぎらう傍ら4月の日米首脳会談で確認し合った日米同盟深化をもう一度再確認させる魂胆なのだ。

 「菅氏との間に交わしたコミットメントは、菅氏の後継者が誰になろうとも変わらないんだぞ」とダメ押しする狙いがあることは言うまでもない。

■ クアッドはG7よりも重要だ

 4月のオンライン形式のクアッド首脳会議で合意した「9月に対面首脳会議」は、単なる口約束ではなかった。

 「バイデン政権のクアッド関係者の中には、『バイデン大統領には、対中戦略という点ではクアッドはG7(先進7か国首脳会議)より重要だとの認識がある』 とまで言い切る者もいる」

 米国務省担当記者の一人、W氏は筆者にそう言っている。クアッドは今やバイデン外交の主柱になっているからだ。

 対中戦略において、クアッドを最も頼りがいのある「盾と矛」にしたいからだ。

 今すぐにはではないが、中国の出方次第では将来、「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」にしたいという思惑が、米外交安保関係者の一部にはある。

 バイデン政権はトランプ前政権よりもクアッド推進では迫力がある。その形成、実用化に熱心だ。

 8月には4カ国局長級協議が開かれ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた海洋安全保障やサイバーセキュリティの具体策を作成している。

 これをたたき台にして9月の首脳会議ではモメンタムを作り、機構化を進めようとしている。

 U.S.-Australia-India-Japan Consultations (the“Quad”) Senior Officials Meeting - United States Department of State(https://www.state.gov/u-s-australia-india-japan-consultations-the-quad-senior-officials-meeting/

 ところが現実的には、クアッドに対する認識やスタンスについて日米豪印の間にまだまだ濃淡がある。

 クアッドの現状に詳しい米シンクタンクの上級研究員の一人、D氏はこう見ている。

 「クアッドはまだペーパー・オーガニゼーション(架空の組織)だ。特に日本はレトリックの領域では元気だが、実際に対中国で直接軍事行動をとれる状況にはない」

 「憲法上の制約も国民感情もそれを許さない。中国との経済・通商関係も広く深い。与党内にも反対する親中派や公明党がいる」

 「その意味ではバイデン・菅首脳会談後に出された日米共同声明で日本が軍事分野で一歩も二歩も踏み込んだのは歴史的なことだ」

全文は以下
https://news.yahoo.co.jp/articles/0ff1d74391049ea66d859747efa0a493f91f3dab

JBpress
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66894

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コメント

アメリカの中国包囲網にとって日本が重要という認識なのでしょう、日本内部は中国寄りの野党などもあるし、難しいかじ取りになるでしょうが、力によって屈服させようとする中国には納得できない。


菅さんの意向を継げるトップを据える事が大事です。クアッド、FOIPは重要。
あれだけ政権批判を繰り返しながら、幼稚な七項目を掲げ、対抗しようとした政党がありますが、「国民を舐めています」ね。
さらに昨日には、「低所得者に10万円」という、先に繋がりもしない提言をしていたが、ホント呆れ返るばかり。
それとこことのつながりがある市民連合とやら、この団体の面子はどんな人物なのか、日本人なのか、それともエセ日本人なのかも確かめないと。
少し話はずれましたが、そういう事です。


『「この点は菅氏が退陣しようとも変わらない。バイデン氏は菅氏の労をねぎらう一方で、誰が菅氏の後継者になろうとも菅氏と交わした約束事は国家と国家が交わした証文だぞ、と釘を刺す狙いがある」』
日本がアメリカからの信頼を勝ち得ているからこそ、こんな発言なのでしょう。言い換えれば、日本経済が世界を座圏した昔と違って今はアメリカにとっての競争相手じゃなく、アメリカが警戒する中国に地勢的に近く軍事的にも好都合だから重要視しているのだろう。地勢的利点は韓国にもあるが、政権に対しても信用されていないからお呼びはかからない。日本の従米路線はどんな政権になっても変えられないと思う。


次の政権にしっかり同盟を引き継いで欲しいと言う事でしょう。辞める総理を揶揄する理由なんか全くないやん。中国の領海侵犯は、毎日のように続いてるんやで。アフガンだってこれからもアメリカの力を借りなきゃ出来ない場面もあるよね。それを何故、レイムダック菅が訪米って叩かないといけないのか。
分からんねえ、ジャーナリストさんって。


米国に媚を売る枝野
---------
枝野代表、福山幹事長ら、米のアジア外交専門家マイケル・グリーン氏とオンライン会談
枝野代表は、アメリカが日本およびアジア・太平洋地域に強い関心を持っていることを歓迎し、健全な日米同盟を基軸とすることを党の綱領でうたっていることに触れたうえで、日米韓の連携、さらにオーストラリアやインドなどとの関係を含め、対話を重ねたい旨述べました。
 福山幹事長は、日本の民主党政権・米国のオバマ大統領の時代に、外交諸課題の解決にあたりグリーン氏よりアドバイスをいただいたことへの謝意を表明。新しく結党した立憲民主党が、現実的な外交路線をとれる野党第一党であることについて語りました。
立憲民主党 2021年3月17日
だか国内では集団的自衛権は違憲だと主張している。


米国大統領の対中国包囲網に於ける支柱となる日米間の合意事項の後任総理への確実なる継承の念押しと、後継者候補への内政干渉たり得る強烈な大統領からのシグナルの発信となる。
バイデンは中国との対抗上軍事力を中国に集中させる為に、国民から批判を浴びようともアフガン撤退を怯まずに果敢に実行した位に本気だ。
首相辞任後に米国に招待するなど異常であり通常では考えられない行為。
日本もいよいよ対中国という局面で本当に腹を括らないといけない岐路に立たされたということですね。
そうなってくると憲法も自衛隊法も変更を余儀なくされるということだ。
日本にとって戦後最大の変化の時を迎えそうだ。


日米同盟は日本の生命線だが全てを委ねる事は出来ない。日米大人の関係で自由民主主義陣営を守る為に協力して行く。次の自民党総裁選、更には衆議院議員選挙で何が起こるか分からないから、今のこのタイミングの日米首脳会談は必要だと思う。


この著者のコラムは毎回ライノー視点での捻じ曲げがひどい。
>バイデン政権はトランプ前政権よりもクアッド推進では迫力がある。
どう考えてもちがうw
読者としては全体の筋立ては無視して、クアッド会談が今後あるということだけ留意しておくべきかと思います。


アメリカがレイムダック状態の菅首相を招待する理由は、日本に圧力を掛けるには良い機会だと見ているからだろう。菅首相を労いながら、一歩踏み出した対中政策を約束させる。日本外交政策・安全保障の転換点になるかも知れない重要な会議であり会談。
勿論、国家間の約束でもあり、自民党政権が交代する訳でもなく、次の首相にも継続されることが彼(か)の国とは違い確かだからだ。


バイデンさんが菅さんを「呼びつけた」とは興味深い!
それは、バイデンさんが弱っているから、日本が属国だから、などという、特権的な記者クラブ制度の中で最も貴重な情報は親しい政府関係者から無料でもらえると考えている、極めて情報収集能力の低い日本の一部主要メディアの大方の記者さんがその狭い常識の中で考えるよりも、ずっと面白い、興味深いと思いました!表に出てくるものと出てこないことがあると思いますが、いずれにしろ、菅さんは、絶対に行くべきです。状況は全く違いますが、大統領に就任したてのルーズベルトさんとその指南役ハウス大佐を始めとしたその取り巻きや支援者が昭和9年に近衛文麿さんを「呼びつけ」米国内を大旅行させたのも類似してるのかな?と想像も広がります!日本国民全体からすると、ある意味で「虎穴にいらずんば虎児を得ず」とも考えられる状況です!昔の中国の賢い方々は、今の方と違って、本当にいいことを言う!


文章は冗長で、勿体ぶった書き方には改善の余地があるが、とかく目が内向きで視野が狭く、物事を世界の中で捉えることができない日本のマスメディア、及び、そういう日本のマスメディアをバカにしつつも、その悪影響を免れず、やはり視野狭窄に陥っている大多数の日本人は、読んでおいたほうがいい記事。
昨今の自民党総裁選でも、このヤフーニュースを含め、党内派閥や人間関係、誰が誰と会ったとか、支持したとか、こう言った・ああ言った、世論の人気といったことばかりに報道が終始している。
アジア太平洋エリアで異形の大国・中国をどう抑えていくか、日本がそれにどう関与していくか、という大きな視座からの報道はほぼ皆無だ。Quadという言葉も、日米安保に匹敵するくらい重要な概念だが、現状、ほとんど知られていない。
日本人独特のムラ意識と視野の狭さを矯正するためににも、この記事はもっと注目されていい。


いいじゃありませんか。ごちゃごちゃ云わず送り出してあげたら。対面式外交は、重要で意義がある。男の花道を飾りましょう。

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